第18回グローバル人材育成研究会
グローバル人材・グローバルリーダー育成の最新動向
今回のゲストはカリフォルニア大学バークレー校Haas School of BusinessのAndrew Isaacs教授です。ビジネスリーダーや次世代リーダー研修などと位置づけた、コア人材の選抜型研修に注力されている事例を、最近多くうかがいます。第18回の今回はIsaacs教授から、多くのビジネスリーダーを輩出していることで名高いHaas School of Businessでのエグゼクティブプログラム、企業向けカスタムプログラムなどの導入事例の紹介のほか、MOTの最新トレンドについても講演いただきます。基調の講演ではグローバルエデュケーションの布留川氏より、国内研修と海外研修の効果的な活用方法について提言いたします。皆様のご来場をお待ちしています。 TOEFL®対策 ESSAY WRITING通信指導
【開催日時】
2006年9月8日(金) 14:00~17:00
【講演者】
カリフォルニア大学バークレー校
Haas School of Business Andrew Isaacs教授
カリフォルニア大学バークレー校
全米屈指の教育レベルと研究実績を誇る名門校。入学はビジネス、経済、コンピューター、工学部が最難関であり、大学院は全米トップクラス。日本を含むアジアでの知名度は抜群でアジア諸国からの留学生比率が高い 。化学、物理、経済などの分野で多数のノーベル賞受賞者を輩出している。 14のカレッジとスクールを設置。Haas School of Businessは各誌のビジネススクールランキングで常々トップクラスに挙げられる。
【内容】
13:30
開場
14:00
「グローバルリーダー育成の最新動向
~海外研修と国内研修の効果的な活用方法~」
<講師:布留川 勝氏 グローバル・エデュケーション代表>
15:00
「UCバークレー校におけるエグゼクティブ&MOTプログラムの事例 」
<講師:Andrew Isaacs教授 カリフォルニア大学バークレー校 Haas School of Business>
16:30
質疑応答
第18回グローバル人材育成研究会の様子
まだまだ蒸し暑い日が続く去る9月8日(金)、ホテルサンルート品川シーサイドの会議室「海」を会場に、第18回目の研究会が開かれました。お忙しい中、26名の人事ご担当者にお集まりいただきました。
まずはじめに、布留川講師から、「グローバル人材、グローバルリーダー育成の最新動向」について講演いただきました。海外子会社の経営の合理化や駐在員の能力向上、少数精鋭化を急ぐ会社の方針として、「グローバル人材を育成せよ」という課題に向き合うにあたり、まず「グローバル人材の定義」を示され、具体的な事例を取り上げてどういう育成プログラムが可能かを解説されました。
これまでのMBA派遣のようなわずか1、2名の「点」のような人材育成から、組織への波及効果もねらえる20名規模の、個別のアセスメントに基づいた語学研修やミニMBAや個別プログラムを組み合わせた「面」を構成する人材育成への変更例をはじめ、海外研修のさまざまな例をご紹介いただきました。
「どうしたらグローバル人材になれるのか」という疑問に対し、まずグローバル人材の定義を理解し、自分自身のスキルのアンバランスを理解して自分用のプログラムをデザインし、この習得を習慣化することで実現できると明確に説明されました。成功のポイントを、ゴールの設定と、スキルの定義に基づき、国内・海外のプログラムを柔軟に使い分けるコースデザイン力にあるという指摘が、人事ご担当者の皆さまにご納得いただけたのではないかと思います。
15分の休憩の後、本日のメインゲスト、Andrew Isaacs 教授が登場されました。「Leadership and Innovation in Management Education」と題し、1時間45分にわたる講演をいただきました。
Isaacs 教授は、Hass ビジネススクールで学生の指導をされる一方で、MOT(Management of Technology)プログラムのExecutiveDirectorであると同時に、CED(Center of Executive Development)のFacultyDirectorでもあり、Finantial Timesの大学格付で世界トップにあるカリフォルニア大学バークレー校について説明いただくのに、これ以上ふさわしい方はいらっしゃいません。
バークレーのMBAコースは、2,700を超える出願者に対し、合格できるのはわずか240名ほど。その3割を外国人が占め、3割以上が女性で、実社会で5,6年働いてから入学するのが平均的な学生であるとのこと。また、HITACHIやIntel、Ciscoなどの企業におこなっているCEDのプログラムの例を挙げられました。
1950年代からのシリコンバレーの進化(軍事、集積回路、PC、インターネット)の過程を説明されながら、ベンチャー企業が次々と生まれる背景について、大学や資金や法律事務所や優れた技術者の存在を指摘され、進化しなければ生き残れない、生き残るために進化してきたシリコンバレーのようすを、衛星写真の資料などを用いて具体的に語られました。
「的確な質問」は「正しい意思決定につながる」というご指摘を体現するかのように、ご参加者からの質問に対し、ホワイトボードを使って、特別講義がおこなわれました。
20代のエンジニアが、プロジェクトマネジャーからチームリーダー、プロダクトマネージャー、ゼネラルマネージャーを経てエグゼクティブマネージャーに至るCarrer Pathを示され、それぞれが誰を管理するか
EngineerはSelfを、
Project ManagerはBudgetを、
Team LeaderはPeopleを、
Product ManagerはMarket,Competitor,Customorを、
General ManagerはSociety,Communityを、
Executive ManagerはSucsession,Strategy,Goal&Overallsを管理し、
その管理に失敗したら何を失うかという全体のフレームワークを板書いただき、そのステップとなるバークレーの教育プログラムの位置づけを明確にされました。
わかりやすいていねいな英語で、表情豊かなお話しぶりは、30分近い特別授業だけでは、まだまだ聴き足りないと思われたご参加者も少なくなかったのではないかと思います。