第49回グローバル人材育成研究会
成果を出せる「英語研修」&異文化コミュニケーションとは?
- 「英語研修の」見直しに有効な手立てはないか?
- 「異文化理解研修」をビジネスで使えるものにしたい。
第1部
「成功する「英語研修」 ~3つの課題を克服し成果を出す研修の考え方」
「管理職の英語力を一気に高めろ!」、「英語研修をゼロベースで見直せ!」
急激なグローバルシフトの必要性から、急遽、経営陣からこうした指令が入りご相談を頂く事例が増えてきております。
今回のG研では、こうしたオーダーにどのようなプログラムを実施することで成果を出せるのか、その考え方・事例をご紹介します。
「英語力向上」の3つの課題
課題1:グローバル人材の定義の誤り
課題2:参加者の期待レベルと研修内容・講師のズレ
課題3:研修成果の定量化の落し穴
おススメ:英語研修の見直し、グローバル人材育成プログラムの立案
第2部
「Work Globally ~結果を引き出す戦略的なコミュニケーション」
企業向けのコミュニケーショントレーニング、幹部向けメディアトレーニングで 活躍中のDavid Wagner 講師が伝授するグローバル人材に求められる戦略的なコミュニケーションを体感。
異文化コミュニケーションの基本を軸にプレゼンテーション、テレカン、eメールなど各種ビジネスコミュニケーションスキルに応用することで成功するコミュニケーションを実現させる手法を学びます。
ぜひ、この機会をお見逃しなく!
異文化理解の基本
・推測の排除
・質問術
・スタイルシフト など
↓
ビジネスコミュニケーションへの応用
・戦略的なeメールの展開
・プレゼンの組み立て
・ミーティングのコントロールなど
おススメ:グローバル人材育成、赴任前研修、ダイバーシティトレーニング
人事ご担当者様には、万障お繰り合わせの上、ご出席いただけますようお願い申し上げます。ご参加は無料です。
【開催日時】
2010年4月26日(月) 14:00~18:00
【講演者】
David Wagner / デービッド・ワグナー氏
【略歴】
東京在住の国際ビジネス・トレーニングの専門家で、NHKテレビ講座「3か月英会話」講師として有名。
1987年以来、様々な業界の大手企業で、数多くのセミナーを実施している。米国コロラドのフォート・ルイス大学で学士、カリフォルニアのモントレー国際研究所で修士を修めた。専攻は日本の政治と経済の構造。The Rocky Mountain Newsの日本レポーター、The Daily YomiuriとThe Mainichi Daily Newsのコラムニスト。
また、日経アソシエにビジネスコミュニケーション講座連載。現在は、会社社長、CFOへのメディアトレーニングでも活躍中。
著書は既に19冊を数える。
【主なプログラム】
異文化間コミュニケーション、Eメールライティング、テレカンファレンス、ビジョンメイキング
【内容】
13:40
開場
14:00
「成功する「英語研修」 ~3つの課題を克服し成果を出す研修の考え方」
<講師:布留川 勝氏 グローバル・エデュケーション代表>
15:00
「Work Globally ~結果を引き出す戦略的なコミュニケーション」
<講師:David Wagner(デービッド・ワグナー氏)>
17:30
質疑応答
18:00
終了予定
第49回グローバル人材育成研究会の様子
去る4月26日(月)、新宿NSビル30階のNSスカイカンファレンスを会場に、第49回目の研究会が開かれました。お忙しい中、21名の人事ご担当者にお集まりいただきました。
まずはじめに、布留川講師から「英語研修」を成功させるための3つの課題について解説いただきました。
1「誤った人材像」
グローバル化の進む現在、たとえば所得額が日本の43分の1というベトナムのような新興国低賃金人材との激しい競争にさらされているという認識の下、「外国人が左脳の仕事を安くできるというなら、われわれは右脳の仕事をもっと巧みにやろう」(ダニエル・ピンク『ハイコンセプト』)という時代への指摘を紹介し、英語さえできればという楽観的な誤った人材像を捨て、ビジョン構想力と自己強化力を核に、ダイバーシティ、コミュニケーション力、グルーバルイングリシュの5つの能力を高めることで、個人のグローバル化を目指す必要性の説明がありました。
2「組織開発アプローチによる英語力強化」
また、そのための最も効果的なアプローチとして、会社内のリーダー人材に「火をつける」ことが、そのあとに続く次世代リーダーへの影響力を効果的に示すことができるとし、「グローバルモチベーター育成」や「グルーバルリーダー育成」のような組織開発アプローチによる英語力強化のコースについて説明されました。
3「英語力=英会話レッスン発想」
ついで3つ目として、これまで日本企業が行ってきた英会話レッスンの投資効果に疑問を呈し、トーマス・フリードマンが『フラット化する世界』でいう、フラットな世界でのばすことのできる最初の、そして最も重要な能力は、「学ぶ方法を学ぶ」という能力、であることの重要性を指摘し、自分で進んで学ぶというモチベーションアップにこたえる具体的なコースとして、フィリピン人講師による1日10分、週3回の携帯電話による英会話レッスンが月額18,900円でできるという紹介がありました。
さて、15分の休憩のあと、いよいよ本日の講師であるDavid Wagner氏の登場です。はじめに、布留川講師によるインタビューがありました。
「Bisiness Communication,media and crisis communication skills」の専門家であるWagner講師は、24年前から今日まで、日本、Asia-Pacific、北米、中東で4,000ものセミナーを実施されてこられたそうです。さまざまな研修の中で、トップのCEOへの研修が一番好きだとのこと、多忙な時間の中、チャレンジする気持ちが伝わってくるからだそうです。
ほとんど流暢な日本語による会話でしたが、日本語で話すときは妙に礼儀正しいという布留川講師の指摘があり、そこからは、スピードとパワーのある英語で、アジアの中でもっともグルーバルなのは中国人であるとか、日本人は、英語を使う経験が少ないことが問題であるとかを話されました。
さて、セッションが始まりました。
まずは、多くの日本人に見られる弱点を取り上げ、コミュニケーションの明確な戦略的方法の欠如や、スタイルシフトの失敗、あるいは、Failure to give a powerful handshakeについての指摘があり、そこで実際に握手をするワークが行われました。握手をする力の入れ方や、あいさつに続いて質問をすることで、リーダーとして会話を進めていくことの重要性を体験いただきました。
次に、Back to Backのペアワークを体験いただきました。
それぞれが書いた絵を、背中合わせで、言葉だけで説明して同じ絵を描くというものですが、最初は日本語で、2回目は英語で、コミュニケーションの難しさとともに、質問することによって推測を排除し、互いの持つ共通の経験から、イメージを的確に伝えることなど、大切なポイント理解していただきました。
このあとは、同じ山でも、また同じ雪だるまでも、各国の文化の違いで異なる問題について、Encode/Decodeや、Icebergモデルを通して説明をいただきました。
後半は、Meeting会議の進め方についてのワークがありました。
議題である”What is the biggest problem in Japan ?"に対し、chairmanを受講者のお一人に担当いただき、Define定義、List upリスト化、Cut削除、Categorize分類、Prioritize優先順位などの議題のしぼり込みと、実際の議論の進行を、ほとんど英語でのやりとりでおこなうというタフなセッションになりました。Wagner講師からは、Intro,Body,Closingという展開において何を想定しておこなうべきかを解説いただきました。
ついで、Cultural Contextについての説明のあと、Clear Communicationのために必要な考え方として、沈黙は金ではなく、言葉で満たすこと、話し続けることの大切さを、言語やしぐさを使い、議論をすることの責任を、さらに、Assertiveであること、たくさんの質問をすることが理解の違いを明確にすることなどのまとめをいただきました。
お忙しい中、今回の"Work Globally"のセッションにご参加いただきました皆様に、厚くお礼を申し述べさせていただきます。
ぜひ各社の、新入社員からマネジメント層に至るまで、グローバルなコミュニケーションのスキル開発のプログラムとしてご検討をお願いしたいと思います。
皆さま、本日は長時間、本当にありがとうございました。