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これまでの開催内容

下記のグローバル人材育成研究会第55回「グローバル 自立型人材としてのビジョン力&思考力とは?」は盛況のうち開催されました。当日の模様はこちらでご覧いただけます。

第55回グローバル人材育成研究会

グローバル 自立型人材としてのビジョン力&思考力とは?

2010年8月25日(水)開催

 

今回のテーマ
  • グローバル人材としてのビジョン力を高めるには?
  • 論理思考力、問題解決力を高めるには?
 

第1部
『Visionary人材になる方法』

『自立していて、軸があってぶれない。ビジョナリーで道なき道を開拓し、ロジカルかつクリエイティブで全体を俯瞰できる思考力を持つ。多様な価値観の人々との協働を楽しみ、状況に応じて最も効果の高いコミュニケーションのツールを使いこなせ、それらを表現できる英語力を持つ』

これは私たちが考える『グローバル&自立型人材像』です。 変化が激しく先が見えにくい時代だからこそ、階層・役職問わず自分自身の生きる時代を視覚化し、行動できる人材が価値ある人材として評価されます。 ビジョナリーであることとは?を考えると共にビジョン力の高め方についても考えて参ります。

  おススメ:グローバル人材育成研修の立案

 

第2部
『論理思考で扱うHow?と人生のWhat?を見つける』

今回初登壇の渡辺パコ氏は、論理思考本のベストセラー、「論理力を鍛えるトレーニングブック」の著者であり、論理思考を軸に「個人をパワーアップし、組織にシナジーを起こす」人材育成について考え、コースを展開されています。

  • 「志」とは何かを学び、自分自身はどうすればいいのか?
  • 「新しい仕事」を作ることが苦手な日本人に求められる「社会を見通す力」をつけるには?

ビジョン力と思考力を兼ね備えた人材の育成をねらいにした研修プログラムを展開される渡辺パコ氏の考え方をぜひこの機会にご体験頂ければと思います。どうぞお見逃しなく!

  おススメ:ロジカルシンキング研修、ファシリテーション研修、ワークライフバランス研修、先見力強化など

 

人事ご担当者様には、万障お繰り合わせの上、ご出席いただけますようお願い申し上げます。ご参加は無料です。

【開催日時】
2010年8月25日(水) 14:00~18:00

グローバル人材育成講演者 渡辺パコ氏 写真

【講演者】
 渡辺 パコ(わたなべ ぱこ)氏

【略歴】
(株)水族館文庫代表取締役、経営コンサルタント
1960年生まれ、学習院大学哲学科卒業。コピーライターとして広告、会社案内の制作、PR戦略の企画立案などを担当。その後、ベンチャービジネスのインキュベーションに関わり、その業務経験をもとに、コンサルティング、研修に業務を展開する。1998年からロジカルシンキングの講師を始め、その経験をもとにした、オリジナルカリキュラムの研修、著書、多数。環境問題/行政向けの環境政策や、環境経営のアドバイザー、講師も担当。自身もワークライフバランスに取り組んだ経験などをもとに、企業の人事部向けに、働き方の変革などのコンサルティング、研修を担当。
2009年より<おとなの社会科>セミナーを開催。社会的な視野を広げ、それを元にクリエイションを起こせる人材の育成を目的とする。2009年11月の民主党政府・行政刷新会議では、「仕分け人」をして第三ワーキンググループに参加する など幅広く活躍。 

【著書】
『はじめてのロジカルシンキング』、 『はじめてのロジカル問題解決』 『論理思考を鍛えるトレーニングブック』、『<意思 伝達編>論理思考を鍛えるトレーニングブック』 、『環境経営の教科書』かんき出版/ 『先見力強化ノート』ビジネス社/ 『考え方のつくり方』大和書房、ほか多数。

【研修プログラム】
論理思考力、クリティカルシンキング、ロジカルファシリテーション、ワークライフバランス

 

【内容】
13:40
開場
14:00
『Visionary人材になる方法』
<講師:布留川 勝氏 グローバル・エデュケーション代表>
15:15
『論理思考で扱うHow?と人生のWhat?を見つける』
<講師:渡辺 パコ氏>
17:30
質疑応答
18:00
終了予定

第55回グローバル人材育成研究会の様子

去る8月25日(水)、リージャス青山プラースカナダを会場に、第55回目となる研究会が開かれました。お忙しい中、20名の人事ご担当者に お集まりいただきました。

まずはじめに布留川講師から、「Visionary人材になる方法」と題し講演をいただきました。

第55回グローバル人材育成研究会その1第55回グローバル人材育成研究会その2

技術革新の先行きと。それが及ぼす影響を見通す力でもって、常に新しいビジョンやアイデアを提供するビジョナリー。

小学6年生で将来プロ野球選手として活躍する夢を作文に書いたイチロー選手の話は有名ですが、アップルのスティーブ・ジョブズや、ヤフーのジェリー・ヤン、デビッド・ファイロ、グーグルのサーゲイ・プリン、ラリー・ペイジなどの名がヴィジョナリーの代表として挙げられます。

それでは、スティーブ・ジョブズが日本で生まれ育ったら同じようになれるかというと、やはりそれは難しく、シリコンバレーという環境があったからこそ可能だったという。

そこで、4つのグループに分かれて、自分がビジョナリーだと思う人物を挙げ、なぜそう思うかを話し合っていただきました。

本日のゲストの渡辺パコさんも、いつの間にか席の空いているグループに加わって、にぎやかな議論が始まりました。

第55回グローバル人材育成研究会その3第55回グローバル人材育成研究会その4

  織田信長
  孫正義
  坂本龍馬
  カルロス・ゴーン
  白洲次郎
  岡田武史(サッカー日本代表監督)
ほかの名前が挙がり、

次に何をするかワクワクする
新しい状況を作り出す先見性がある
見えるはずのないものが見えてくる
タイミングを見る力がある
リーダーシップを発揮する
などの意見が出ました。

 

第55回グローバル人材育成研究会その5第55回グローバル人材育成研究会その6

次に、ビジョナリーシンキングについて。

ビジョナリー
(創造、空想、自由、未来、夢、わくわく、オープン、柔軟)

シンキング
(論理、正確、緻密、きっちり、効率、事実、因果関係、もれなく、ダブリなく)

というキーワードをふまえ、自転車の前輪をビジョナリーの、後輪をシンキングとみなした場合に、自分自身はどんなタイヤの姿になるのかを、皆さんに書き込んでいただき、形も大きさもデザインもさまざまに描かれた絵を見せ合って、各グループで話し合っていただきました。

第55回グローバル人材育成研究会その7第55回グローバル人材育成研究会その8

ビジョナリーであることが、どんなメリットを与えるのか

リーダーシップが発揮できる
問題解決、解決の糸口がつかめる
自分で行くべき道を選べる

このメリットをふまえ、どのようにしてビジョナリーになれるのか

面白い仕事、だれもやっていないことをやる
ビジョニン・グライフ(自分はこうありたい)を1年続ける
ビジョナリーな3人の友人とビジョンを語り合う

という説明があり、さらに、こうしたビジョニングを活用して計画の実現や目標の達成に成功した例を挙げていただきました。

 

さて、15分の休憩のあと、いよいよ本日の講師である渡辺パコ氏に登場いただきました。

第55回グローバル人材育成研究会その9第55回グローバル人材育成研究会その10

論理思考の領域においては、大学・大学院の講師として活躍され、また、ロジカルシンキングをはじめとする多くの著書を出され、さらに事業仕分けの仕分け人、あるいは横浜市温暖化対策審議委員を務められるなど、多様な経歴についてまず自己紹介をいただきました。

 

第55回グローバル人材育成研究会その11第55回グローバル人材育成研究会その12

今日の話のテーマは大きく2つ。

ロジカルシンキングをもとに、あるいはその考える方法を使って、「自分の考えをつくり、表現し、議論する」(Expression)力を育成する。

「教養(考える素地)を厚くする」<大人の社会科>ことで、skillからwillへ、「志」を養い、意思決定力を持った人材を育成する。

会社のリーダーやマネジメントの立場に立てば、物事を判断し意思決定を常に迫られる。
ロジカルシンキングでは、考える手法は学べる。ビジネススクールでは、さまざまなケースについて、考えられるオプションを挙げて答えを求めるトレーニングもおこなう。
しかし、自分の考えを持っていいのか、それを人に伝えていいのか、自信が持てず踏み込めないことが多い。

また、小さい頃からの育った環境のせいか、空気を読みすぎて、身動きが取れない。(運動会や遠足がいやでつまらなくても、作文にホンネを 書けない、つらくてもがんばったと書いてしまう、先生が予定調和的に指導してしまう、という補足がありました。)

しかし、物事を変えていくためには、壊すこと、破壊的創造が必要。

 

第55回グローバル人材育成研究会その13

そこで、答えが簡単には出ない、答えがないような問題をイシューとして取り上げ、自分の考えをつくる、自分の考えを論理的にきちんと伝えるというExpessionのトレーニングを取り上げていただきました。

 

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第55回グローバル人材育成研究会その16

外国人夫婦のためにインドの女性が出産をする「代理母」ビジネスについて書かれたレポートを読み、自分の主張を考えるという課題。

不妊に悩む外国人夫婦からは、費用の安さ(アメリカの6分の1)と成功率の高さで要望が殺到している。代理母志望者の貧しい女性にとっても、10年分の給与に相当する謝礼は、大きな助けになっている。しかし、この代理母ビジネスは、第三世界の女性の搾取ではないのか。グローバリゼーションの行き過ぎではないのか。いや、インドの医療技術も進歩しているし、英語を話す医師もおり、これは相互扶助の関係なのではないか。

この問題について、ご参加された皆様は深刻なようすで考えこまれていました。ビジネスとして冷静にリスクを考えることと、倫理的・人間的・感情的に反発する自分に混乱されたという感想にもあるように、この問題については、正解と言えるものがなく、人それぞれのいろいろな意見が出てきますが、それらに納得が行くまで考えること、意見交換ができる状況をつくることが重要である、という解説がありました。

 

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第55回グローバル人材育成研究会その19

次に<おとなの社会科>について。
はじめに、「教養」とは、多面的にものを見る力だという説明がありました。円柱にどこから光を当てるかということで、円になったり長方形になったりする例を取り上げ、

  どこから、どのように見るかで、見え方が変わってくる
  個性の把握において、ものごとのよい面の裏には悪い面もある
  幅広い視点を持ち、多面的な解釈の仕方ができることがカギ

というポイントをふまえ、<おとなの社会科>というセミナー&研修という形で、多面的な視点と意思を育てる学びの機会を提供する活動を昨年から始められたとのこと。

  現代の世界や歴史のFACTSを知り(知識)
  FACTS間のつながりを知り(メカニズム)
  多面的な見方を身につけて(ロジカルシンキング)
  自分が何をするべきか(Will)を決められるようにする

ために、これまでの講義で取り上げられたのは、

  「日本の難点」~社会学最前線
  「メディアリテラシー」~情報受容と民主主義社会
  「日本の現代史」~歴史を動かすメカニズム
  「ユダヤと米国、民主主義」
  「データを読み解く。日本は貧しい人が多いのか」
  中国の今を読む視点
  地域活性化
  「絶対貧困」世界の貧困問題と日本
  農業と食糧自給率
  「お金」が生まれる瞬間

で、この9月から12月に掛けては、

  「昭和」と「バブル」とは何だったのか?
  プーチンのロシアとは何ものか?
  石油争奪戦
  温暖化対策~25%削減は可能か

というラインナップで、特に現代史や、現代社会がかかえる問題についてのテーマに光が当てられています。これは、「過去を見る力と、未来を見る力は比例する」という考え方に基づいています。

 

第55回グローバル人材育成研究会その19第55回グローバル人材育成研究会その20

第54回グローバル人材育成研究会その21第54回グローバル人材育成研究会その22

こうしたテーマについての講義を、各会社の事情をふまえたオーダーメードの研修プログラムに仕立て、ぜひ各社に導入いただこうという次第です。

最後に、たくさんいただいたご質問の中で、「(キャリアデザインの担当者として)、将来に対し、ヴィジョンを持ちえない若手にどう対処するか」についての回答を紹介しておきます。

ヴィジョンを持てない人がほとんど。
ふだん目を向けないようなテーマについて考えさせ、強いExpressionを引き出す。その出てきたものの違いが個性。自分でフレームを作り、何を考えるかができる人はよいが、できない人には、まず常識や視点をinputして、そこからoutputをしっかりおこなうことがまず大切。

また、別の質問への回答。
30代になれば可能性をしぼることが必要。あれこれためしてみて、面白くなければ捨てて、行かない道をつぶしていくことが重要。

お忙しい中、ご参加いただきました皆様に、厚くお礼を申し述べさせていただきます。ぜひ各社の、研修プログラムとしてご検討をお願いしたいと思います。

皆さま、本日は長時間、本当にありがとうございました。

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