第50回グローバル人材育成研究会
中堅社員の知的生産性を高める行動原則とは?
- グローバル人材としてのキャリアを築く上で必要なスキルとは?
- 中堅社員の生産性を高める有効な手段はないか?
第1部
『2010年グローバルキャリアのコアスキル~高速「グローバリゼーション」と低速「個のグローバル化」における日本人のグローバルキャリアを考える』
「グローバリゼーションのフェーズがあきらかに変わった。そうした環境下でキャリアを築く上で必要なコアスキルとは?」
アジア諸国における優秀な人材の獲得戦争、ビジネスの急激なグローバルシフトなど、グローバリゼーションの進展は高速であるものの、個々の人材のグローバル化には時間がかかります。この状況においてグローバル人材として自らを高めて行くキャリアの実現を人材育成部門の立場から効果的にサポートしていくための要素を考えます。
おススメ:グローバル人材育成プログラムの立案
第2部
『中堅社員の知的生産性を高める行動原則とは?』
「思考力があり、話も上手いのに成果に結びつかない」、「資格取得、研修、読書は大好きなのに、いい仕事ができない人」、「言っていることは正論だけど周りとかみ合ってない人」
頑張っているが報われない人の解決のヒントは、出来る人に共通する「7つの行動原則」をおさえることにあります。自分の「ありかた」(自分軸)と「やりかた」(仕事のやり方、スキルの高め方)を見直し、根本から「仕事」を再確認することで、知的生産性のアップを図る事ができる、新しいアプローチのプログラムをご紹介いたします。
おススメ:キャリア研修、OJTトレーナー研修、新入社員のフォローアップ研修、2~3年目研修
人事ご担当者様には、万障お繰り合わせの上、ご出席いただけますようお願い申し上げます。ご参加は無料です。
【開催日時】
2010年5月21日(金) 14:00~18:00
【講演者】
グローバル・エデュケーション 講師
堀田 孝治(ほった こうじ)氏
【略歴】
クリエイト・J代表
GIAL認定 アクションラーニングコーチ。キャリパープロファイルジュニアアナリスト
1966年、東京都生まれ。1989年、中央大学法学部卒業後、味の素(株)に入社。営業、マーケティング、総務、人事を担当後、広告部マネージャーを経験。 開発型営業のマネジメント、製品開発営業体制の再編、若手営業担当者の育成採用業務の推進及び全社の教育体系・教育計画の再構築、新人研修・「7つの習慣」の講師として研修のファシリテート、ブランドの広告・宣伝マネジメント及び組織運営など、その活躍は多岐に渡る。
2007年1月に独立。豊富なビジネス実務経験と、人事・教育経験を活かし、ビジネススキル・マインドトレーニングや、キャリアコンサルティング、就職支援、マーケティング支援などの幅広い分野で活躍している。
【著書】
『生まれ変わっても、この「仕事」がしたい』(ファーストプレス)
【内容】
13:40
開場
14:00
『2010年グローバルキャリアのコアスキル~高速「グローバリゼーション」と低速「個のグローバル化」における日本人のグローバルキャリアを考える
<講師:布留川 勝氏 グローバル・エデュケーション代表>
15:00
『中堅社員の知的生産性を高める行動原則とは?』
<講師:堀田 孝治氏 グローバル・エデュケーション講師>
17:30
質疑応答
18:00
終了予定
第50回グローバル人材育成研究会の様子
去る5月21日(金)、オープンしたばかりのリージャス青山プラースカナダを会場に、第50回目となる研究会が開かれました。お忙しい中、26名の人事ご担当者にお集まりいただきました。
まずはじめに布留川講師から、「日本人のグローバルキャリアを考える上での2つの側面」、高速度に進むグローバリゼーションと、日本国内の「低速 個のグローバル化」について解説いただきました。
グローバル人材育成を取り巻く状況については、トーマス・フリードマンのフラット化する世界をもとに、2000年以降のグローバリゼーション3.0以降を、IQ<CQ(好奇心)+PQ(情熱)の転換ととらえ、MITのオープンコースのようすをネットで見ていただきながら、「学ぶ方法を学ぶ」能力の重要性と、高速で進むグローバリゼーションについてまず確認いただきました。
ついで、「今、日本で起きていること」として、3つが挙げられました。
(1)パラダイス鎖国 海外留学希望者が激減 低PQ&低CQ
(2) War For Talent/人材獲得戦争 外国人採用、海外採用
(3)国際競争力の低下 昨日発表された2010年のデータ27位
こういった状況下で、企業が求めるグローバル人材とは、どんな人かについて、グループディスカッションをおこなっていただきました。
あるグループからは、イチロー選手や北野武、緒方貞子さんなど、具体的な名が挙がり、いずれも信念を持って行動しているなど、共通するマインドやスキルを考えていただきました。
個のグローバル化が、低速に留まっている理由として、企業が、グローバル人材の定義を決めないことから、結局は英語研修が主体となり、一方の個人は、高賃金の認識が低く、海外のグローバル人材の急増を知らず、日本に高IQ,PQ,CQの外国人が入ってくることが想像できない「ゆで蛙」状態にあるという指摘がありました。
グローバルキャリアに求められる要素として、ビジョン構想力と自己強化力を核に、ダイバーシティ、コミュニケーション力、グルーバルイングリシュの5つの能力が欠かせないという説明とともに、ビジョナリーであること、信念と価値観もって、有意義な目的に向かって努力し続けることが大切であるとまとめていただき、リーダー人材の研修効果を、次世代リーダー育成という組織開発へと波及するパイプラインの仕組みなど、具体的な研修例についても説明いただきました。
さて、15分の休憩のあと、いよいよ本日の講師である堀田孝治氏に登場いただきました。
4年前まで勤務されていた味の素での体験談をふまえて、まず、どのようにして現在の仕事をするようになったかというお話から始まりました。(詳細は、前回ご登壇いただいた、第24回G研の記録をご参照ください。)
4名一組の各グループ内での自己紹介も、自分のキャリアを漢字一文字で表せ、というお題が指示されワークショップが始まりました。通例は、2日間で14時間ほどのプログラム内容を、今回は、人材育成のご担当者に、2時間半という短い時間ながら、全体をつかんでいただこうという意気込みで、テンポよく説明が進みます。
学校の勉強と仕事にはどんな違いがあるかを、グループディスカッションをはさみながら、「仕事の正体」を明らかにしていきました。サッカーでいい結果を出すには、サッカーという種目を理解し、その種目にあった行動をしなければ報われないということを、野球と比較したりしながら理解いただき、仕事に必要なものは何かへと考えを深めていきました。
「7つの行動原則」についての講義が始まりました。
仕事において、何が求められるのか、鳥の目というよりも虫の目的とご自身でおっしゃるように、実際の研修では、ひとつひとつを、ワークを通して具体的に、納得しながら進めて行かれるのですが、今回は、プレミアム(ミニ)ワークでの対応です。
- ベースとなる行動原則 「価値創出」「逆算」
- 成長と生産性を高める行動原則 「守・破・離」「てこ入れ」
- 関係性を高める行動原則 「両立」「同時多面的」
- 全てのコアになる行動原則 「自己選択」
価値創出においては、さまざまな価値の一覧を示して具体的にとらえつつ、先人の言葉(たとえばワコール創業者の、女性を美しくするために生涯をささげてきたという言葉)を引用して、価値についての見方をさまざまな方法で説明されます。
相手にとっての「価値創出」を常に明確にするために、Q(品質)C(価格)D(納期)をおさえる習慣を作るという説明をふまえ、HRD(人材開発)のご参加者を意識したお題として、経営・社員・顧客が、HRDに期待する「価値創出」とは?というワークがおこなわれました。
堀田講師の特徴は、豊富な職場での経験をもとにした、具体的な仕事の場を常に意識した説明にあらわれます。Must、Want、Don'tの説明でも、懇親会を担当させるという例で、膝の悪い部長が出席するのに座敷を避けるのがMustだろうというわけです。
休憩をはさんで正味2時間半、今回はワークの時間があまり取れずに、説明中心の内容でしたが、始まる前に各グループ卓用に、チョコやお菓子を買ってこられるなど、「行動原則」に違わぬ堀田講師のご配慮もあり、参加者同士の会話もはずみ、いっぱい詰まった、充実したセッションになりました。
お忙しい中、ご参加いただきました皆様に、厚くお礼を申し述べさせていただきます。ぜひ各社の、キャリア研修プログラムとしてご検討をお願いしたいと思います。
皆さま、本日は長時間、本当にありがとうございました。